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No.332 葉山温泉の温泉自動販売機(取材日・2008年5月26日)

葉山に温泉の自動販売機がある、と聞き、さっそく行ってみることに。
横浜横須賀道、逗子インターチェンジを降り、西へと車を走らせる。
湘南の緑豊かな景色が、目に心地良い。
ほどなく、「山」の文字が「凸」にアレンジされた葉山温泉の看板が見つかった。
駐車場に車を停め、振り向くと足湯を楽しむ人の姿が目に飛び込んできた。
自販機を探すのもそこそこに、百円玉数枚を支払うと、私も足湯の輪の中へ入った。
裸足になり、桶でかけ湯をし、たたみ二畳ほどの広さの箱の縁に腰を下ろす。
そこは、つかず離れずの小さな湯船の中で、隣や前の知らない者と対話する感覚、何とも言えない空間だ。
おのずと、誰からともなく、こんな言葉が出る。
「よく、来られるんですか、この足湯には」
その数分後には、もうみんな数年来の友達のように打ち解けている。
足湯とは不思議な場所である。
それも、この湯と周囲の緑の気持ちよさが成せるわざか。
そして撮影した写真がこれだ、 皆さん実に良い笑顔を見せてくれた。

ここには、だいたい30分ほどこうやっているそうである。
で、どうなるのかというと、背中にうっすらと汗をかく程度。
そして、疲れが取れてリフレッシュした気分だ。
全身浴とはまるでちがう感覚が味わえる。
周辺を山に囲まれているのも、森林浴という趣で気分が良い。
おかしなコミュニケーション空間の足湯だが、取材時に同席した方の話をもう少ししたい。
画像に映っている中に、失礼だが高齢の女性が二人いるのがわかると思う。
右のご夫婦は、中央に映っているお母様をここに連れてきたそうなのだが、足湯には普通の温泉にはない魅力があるのだという。
足を湯につけるだけの場所に、決して安くはない利用料金、いったい、どこが魅力なのだろうか?
高齢になると、浴場での転倒によるケガなどの懸念から、温泉や銭湯に行くには同性のつきそいが必要、と考える場合が多い。
しかし、足湯なら気楽に来ることが可能だ。
たとえば、息子さんがお母さんを連れて来れるのも、足湯ならでは、である。
しかも、効能は全身浴と変わらず、湯あたりすることも少ないので、高齢者にはピッタリである。
左の青い上着の方も、お隣に座っているお母様を連れてきたそうだが、御年は90歳を超えているそうで、お元気そうで何よりである。
聞けば、お母様はここの足湯をとても楽しみにしているそうで、なんとも親孝行な息子さんです。

足湯を出て、さっそく目当ての自動販売機だ。
「温泉スタンド」と名付けられたこのガソリンスタンドにあるような機械が、極めて珍しい浴用温泉の自動販売機となる。
自分でタンクを持って行くのもよし、手ぶらで行けばポリ容器を販売してくれるので、それを使うのもよし。
(取材時にはポリ容器は売り切れだった)

オーナーの根岸さんに、温泉自販機のそばに立ってもらい、お話を伺った。
ご夫妻でやっているという、この葉山温泉、もちろん温泉を掘り当てたのはご主人の根岸さん。
なんでも、掘るのに退職金をほとんど使ってしまったというそうだから、本気の度合が分かる。

 

気になる泉質は、ナトリウム塩化物炭酸水素冷鉱泉(アルカリ性低張性冷鉱泉)。
効能は
1.一般的適応症
神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動後の関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え性・病後回復期・疲労回復・健康増進
2.泉質的適応症
慢性皮膚病(アトピーなど)・きりきず・火傷・虚弱児童・慢性婦人病
(葉山温泉HPより)
だそうである。
ちなみに温度は21.3度なので、足湯のお湯はいったんボイラーで温めている。

自販機テレビとしては、マシンのディティールにも目を向けたいところだ。
画像は、温泉自販機の吐出ノズル部分。
赤いオン・オフのコックと、黒い巨大な取っ手の対比が面白い。
しかし、これはどうしてもガソリンスタンドを連想させる機械だ。
温泉自販機というよりも、やはり「温泉スタンド」だなあ、と思いながら家路についた。




取材協力:葉山温泉
神奈川県三浦郡葉山町長柄820-1
045-875-8457
葉山温泉 ―湘南の地に湧いた良質の温泉をご自宅で―

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